2009年1月1日木曜日

著書抜粋紹介


現代ギター社刊「ギター・だ~いすき・第4集」

・曲作りのヒント1~12(72頁)
     〜〜〜
現代ギター社刊「ギター・だ~いすき・第5集」(品切れ中)

講座1/幼児のギターレッスンを始めるにあたって(幼児レッスンの心得・レッスン内容の一例)
講座2/楽しいギター遊び「楽しく楽しくをモットーに」
講座7/親の感動の大きさ=子供の意欲の強さ
講座9/あがるってな~に?
講座10/練習してから遊ぼうね
講座14~ジュニアのための上達12ヶ条
講座15/左指の職人芸vs右指の芸術性
講座35/36/38/ギターが上達するための諸条件1~4
講座39/曲を仕上げるまでの大事な留意点



「ギターだ~いすき・第5集」解説講座より

ジュニアのための上達12ケ条

掲載・58頁

「第1条」 意欲ある練習が上達を生む。

 ギターが上手になるには、ギターが好きであることが第1条件です。

しかし幼児や小学生の場合、自分の意志よりも両親の勧めで始めることが多いでしょう。

そうすると好きになる前段階として、練習に身を入れられる何かが必要になってきます。

例えば、指導が上手なので練習が楽しい。上手に弾くとお父さん、お母さんにほめてもらえるので

すごくうれしい。

初めできない曲が、何度も練習していくと上手に弾けるようになるので面白い。

憧れのギタリストがいて、自分もそうなりたいので一生懸命練習する。・・・・・・

などなど、何らかの思いを持ちつつ意欲ある練習を続けていけば上達も早いし、

いつしかギターも好きになっているでしょう。反対に意欲のない練習をいくら続けても、

上達は望めないことも理解させねばなりません。




掲載・63頁

「第2条」 毎日練習する習慣をつける

 ギターを上達するには、毎日練習することが必須条件です。

なぜ毎日練習しなくてはいけないかと言うと、人間の脳は覚えたことを少し経つと忘れてしまう特徴

を持っているからなのです。

ですから練習したりしなかったりでは、“覚える・忘れる”の繰り返しで、覚えたことがたまっていかな

いのです。

ところが人間の脳は、もう一つのすばらしい能力を持っているのです。それは、覚えたことを忘れ

る前に思い出すことを繰り返していると、いつの間にか忘れないようになるのです。ジュニアの皆さ

んは自転車乗りの練習をした時のことを思い出して下さい。

練習したりしなかったりではいつまでたっても乗れるようにはなりませんが、毎日一生懸命練習を

繰り返していると、ついには乗れるコツがつかめますね。そうなると今度は何年自転車に乗らなく

てもいつでも乗れるようになってしまいます。

皆さんが日本語を無意識に話せるのも、毎日繰り返しているからなのです。でも英語の勉強のよう

に学校で飛び飛びに勉強するだけでは話せるようにはならないのです。

さあ!今日からギターの練習を毎日の日課にして、どんどん上達しましょう。




掲載・67頁

「第3条」 上達する練習、しない練習

 毎日練習することの大切さは前回話しましたが、毎日練習しても、上達する練習と、上達しない

練習があるので気をつけなければいけません。

ではどこにその差があるのかと言うと、その日の練習で良くなったところがないまま終わる練習は

上達しなかった練習です。

自分の持っている実力を維持するだけに終わってしまった練習なのです。反対に、昨日できなかっ

たところができるようになったり、新しい曲が弾けるようになったりと、良くなったところが実感でき

る練習は、上達した練習と言えるのです。

 1日に1段でも確実になれば、それは進歩です。1週間たてば7段も仕上がることになり、初級の

曲なら1曲分に相当します。

同じ曲をたとえ10回弾いたとしても、適当に弾いたのでは1回目も10回目も代わり映えせず、そ

れでは上達する練習になりません。

1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と良くなるように真剣に練習を進めれば、明らかに1回目

よりも10回目の方が正確さが増したり、滑らかな演奏になったりします。 さあ!早く遊びたいから

といって、上の空で10回弾いても上達しませんよ。練習に集中して1回1回真剣に練習すれば、メ

キメキ上達していきます。




1.
掲載・71頁


「第4条」 やさしい曲とむずかしい曲とでは練習法が違う

 曲にはやさしい曲とむずかしい曲があります。やさしい曲は普通に弾いていれば、自然に仕上が

りますが、むずかしい曲はなかなか仕上がってくれません。むずかしい曲をやさしい曲と同じように

練習していたのでは、いつまでたっても仕上がらないのです。

ではむずかしい曲を仕上げるにはどうしたら良いかと言いますと、むずかしい曲用の特別練習が必

要なのです。むずかしい曲と言っても、初めから終わりまでむずかしいわけではありません。ある一

部分が特別むずかしいために、その曲が完成しないのです。

ですからそのむずかしい部分を取り出して、出来るまで反復練習を繰り返すのが、むずかしい曲用

の特別練習なのです。

これは大好きなテレビゲームを例にとれば分かりやすいでしょう。テレビゲームも簡単な場面はすぐ

にクリアできますが、むずかしい場所は何度も何度も失敗を繰り返しながら次第にクリアする確率を

を高めていきます。そしてついには余裕をもってクリアするまでに技術が高まり、次のステージに進

めるわけです。ギターの難所もその要領で練習すれば良いのです。ただしテレビゲームの場合は

難関をクリアしなければ次のステージに進めないので、夢中で反復しメキメキ上達してしまうのです

が、ギターの場合は難所をクリアできなくても次のフレーズに進めるので、ついそのままになってしま

い、力をつけないまま先へ進んでしまうことになりがちなのです。それでは真の上達は望めません。

むずかしい曲こそ上達のチャンスと思い、テレビゲーム同様に反復練習を繰り返し、しっかりクリアし

てから次の曲に進みましょう。



掲載・75頁

「第5条」 1週間の単位を有効に使おう
 
私たちの生活は1週間の単位で回っています。学校もそうだし、会社もそうなっています。ギターの

レッスンも普通は1週間に1回でしょう。

ですからこの1週間の単位をとても大切に扱いたいのです。

1週間に1つの成果が得られれば1ヶ月で4つの成果、1年で48もの成果につながるのです。さらに

頑張って1週間に2つ、3つと成果をあげられれば、1年間の成果は2倍3倍に膨れ上がるのです。

反対に1週間に1つも成果をあげられない練習を繰り返したらどうなるでしょう。1ヶ月たっても、1年

たっても上達は望めないのです。

1週間で良い成果をあげるには、当然1日1日を充実させ、7日間の積み重ねが1週間の成果にな

るわけです。1日に1ヶ所でも良くなった所を出していかないと、1週間の成果に結び付かないことに

なります。くどいようですが、1日に1ヶ所も良くできない練習では1週間たっても成果は上がらず、先

にあげた悪い方の例に結び付いてしまいます。

ですから1週間の目標をしっかり立て、その目標を達成するための1日のノルマを確実に仕上げてい

き、1週間単位で着実に上達する方法をとれば、必ず1年ごとに目を見張る上達が可能になります。



掲載・79頁

「第6条」 レッスンは休まない

 前回に述べた1週間の区切りをしっかりつけるためにも、レッスンの受講は大きな役割を持っていま

す。レッスンは絶対に休まないと言う考え方と、練習があまりできなかったり、はかどらなかった時に

はレッスンを休むと言う考え方では、上達に雲泥の差が生じてしまいます。前者の場合には、何かの

都合で練習時間がとれなかった時には、新たに練習時間を生み出す工夫をするでしょう。5分、10分

のわずかな時間も無駄にせず、いつもより少しだけ遅寝、早起きを実行し、食事時間やお風呂に入る

時間を切り詰めれば、けっこう時間は作れるものです。また、課題がむずかしいときには、やさしい課

題の時よりも集中力を増したり、練習時間を多くとったり、1週間で何が何でも仕上げて見せるぞと言

う強い気持ちが湧き出るものです。

反対に後者の場合ですと、せっかく30分練習できる時間がとれても、今週は休むことにしたからいい

やとか、むずかしい課題の時には来週までに仕上がればいいやなどと、どうしても消極的な考え方に

なってしまいます。これでは目覚ましい上達は望めません。もちろん、練習をさぼってもレッスンは休ま

ないと言うのは別次元の話です。



*以後は、現代ギター社刊「ギター・だ~いすき・第5集」をお読み下さい。

82頁「第7条」 同じ注意は2度されない 

86頁「第8条」一生懸命だけではダメ!

90頁「第9条」朝練のすすめ  

94頁「第10条」メトロノームを活用しよう 

98頁「第11条」基礎練習は主食のゴハン 

102頁「第12条」楽譜をすみずみまで読もう

ギター・だ~い好き/ジュニア教育読本①村治 昇・著/現代ギター社刊/定価1,397(品切れ中)

はじめに

 子供の誕生、それは自分の人生観を根底から覆す大異変の始まりでもありました。

 子供の誕生以前の自分自身はといいますと、ギターの上達を何にも増して優先しつつ、自分自身を深め高めていくことが目標であり、それへの弛まぬ努力に精魂を傾けている日々でした。そして子供の誕生後もその信念が変わるなどとは夢にも思わなかったことなのです。

 しかし新しい生命の誕生は、揺らぐはずのない信念など簡単に隅へ追いやるほどの大きな感動をもたらしたのです。

 信じがたいほどの小さく愛らしい手足、表現の仕様がないほどのふくよかな頬、微塵の汚れも感じない清らかに澄んだ瞳、・・・・・・かっては自分もこのようであったのかと思うと、言いようのない愛おしさに襲われるのでした。

 あやしてあげればうれしそうに笑い、何もしなければじっと見つめて何かを待っている。そのまったく受け身であるつぶらな瞳に見つめられていると、何かをしてあげなくては、という思いが心の中に大きく大きく広がっていったのです。

 何をしてあげればよいのだろうか、そうだ自分の一番好きで一番自信を持って伝えられるものを一心に捧げよう、それをきっと待っているに違いない。それが私にとってはギターだったのです。

 この後に記した二十四の項目は、今振り返ってみると、子供が私に考えさせ、行動させたことに他なりません。子供の力が私から必要なことを引き出したのです。子供の力が私に経験を積ませたのです。その経験を記させたのも子供の力かもしれません。

 これから最愛の子供さんの教育を始める方々にとって、この本が少しでもお役に立てばこんなにうれしいことはありません。

                                              1997年4月

                                        村治 昇

第1章 めざせギターファミリー!

音楽を育てる環境作り(夢みる家庭音楽会)/身近に発表の場を持つ(拍手大喝采)

楽しさの演出(好きこそものの上手なれ) /反復練習(あの手この手)

音感の訓練Ⅰ(幼児は音感の天才) /音感の訓練Ⅱ(ソルフェージュの勧め)

アカデミックな教育の確立(早期教育論) /伝統に学ぶ(メキメキ上達するための条件)

3歳までのアプローチⅠ(お話聞かせ) /3歳までのアプローチⅡ(まねっこ上手)     

3歳までのアプローチⅢ(チャレンジ精神) /3歳までのアプローチⅣ(ギター・だ~いすき)

第2章 ギター早期教育の道しるべ

0歳~3歳 幼児期Ⅰ---良き遊び相手になる 
0歳~3歳 幼児期Ⅱ---音楽のシャワー
0歳~3歳 幼児期Ⅲ音楽の楽しさを伝える
3歳~6歳 幼稚園児Ⅰ-ジャララーンは魔法の響き
3歳~6歳  幼稚園児Ⅱ--ギター連弾で早くもファミリー・アンサンブル
3歳~6歳 幼稚園児Ⅲ--ソルフェージュとピアノ・レッスンの勧め
6歳~9歳 学校低学年Ⅰ輝かしい才能を生み出す親子一体
6歳~9歳  小学校低学年Ⅱ爪を伸ばすのはいつからが良いか
6歳~9歳  小学校低学年Ⅲむずかしいセーハはどう対処したら良いか
9歳~12歳 小学校高学年-コンクールに参加して意欲を高めよう
12歳~15歳 中学生----大成に導く鍵は「夢中になる」
15歳~18歳 高校生----早期教育の仕上げは名教師との出会い